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短期記憶 [仕事]

この仕事を始めてから痛感することがあります。
自分の「記憶力」についてです。

通訳訓練法の一つに「リテンション・トレーニング」というものが
あります。retentionとは記憶の「保持」のことです。
ちなみに「聞いた内容をそっくりそのままの言葉で再現する訓練」を
「reproduction訓練」と言います。一方、リテンション訓練の場合、
多少の言い換えがあっても構いません。
要は、文脈を押さえて内容を保持しつつ、
聞いた内容を再現することを言います。
指導書によってはリテンションとリプロダクションが同一だったり
あいまいだったりする部分もあるようです。
いずれにせよ、聞いた内容を忘れてしまっては通訳ができませんので、
記憶力を保持することがこの仕事には求められます。

私は近年、放送通訳業をメインにしています。
番組では途中にコマーシャルが入ります。その直前に
ニュースキャスターがCM後の内容を前触れすることがあります。
私にとって短いCM時間は、その番組後半の下調べのチャンス。
ところが同時通訳をしたばかりなのに、いざCMタイムになるや
「はて、さっき何て予告していたっけ?」となってしまうのです。
ほんの数秒前に自分が訳したことをもう忘れているのですね。

これには参ります。自分の記憶力が加齢とともに退化したかと
焦ります。ただ、他の通訳者に聞いてみると、「ある!ある!」
という答えが少なくありません。今、その瞬間の通訳内容に
集中した結果、すぐ忘れてしまうのは致し方ないのかもしれないのですね。
特に同時通訳の場合、古い内容を保持し続けてしまうと、
今、耳に入ってくる内容に集中できなくなります。

ちなみにそれが私の場合、習慣化したがゆえなのか、
日常生活でもわずか数分前のことを忘れてしまう傾向があります。
たとえば先日のこと。ご飯を炊き、容器に移し替えました。
冷凍する前に少しでも冷ましておこうと蓋をしないまま
台所に放置しておいたのですね。念のためと思い、10分ほど
タイマーはかけておきました。

書斎へ戻り、再び仕事。
10分後にタイマーが鳴りました。台所のタイマーです。
「あれ?なぜ鳴っているのかしら?」と頭は完全に忘却モード。
台所へ行くと、蓋の空いたままのご飯容器が並んでいたのでした。

ちなみにティーバッグを浸しているときも、よくこの展開となります。

・・・だからタイマーは欠かせません、ハイ。
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重量挙げ並みの負荷 [仕事]

以前ご一緒した先輩の通訳者の方から興味深いお話を伺いました。
いわく、通訳者が通訳をする際に体にかかる負荷は、
本番中の重量挙げの選手並みなのだそうです。

確かに言われてみれば思い当たることがあります。
通訳業務を依頼された時点で予習が始まりますので、
本番当日までは勉強三昧で緊張感が続きます。

さらに現場へ行き、打ち合わせをしているうちに
「自分の予習はこれで良かったのか?」と私など
迷いが出ることもあり、緊張感がさらにアップ。
登壇者と話をしていると「うーん、結構訛りが強い人かも」
「日常会話がこれだけ早いとプレゼンも早口かなあ」と
不安になります。ここでさらに心臓がバクバクに。

会場へ案内されてブースに入ると、眼下には
巨大なホールが。数百人規模の国際会議の場合
「うわっ!あれだけの方々が同時通訳レシーバーで
私の通訳に耳をかけるのか。間違えたらどーしよー?」と
思います。それでまたもや動悸が早くなります。

本番になれば耳から入る英語を一言一句聞き漏らすまいと
緊張し、声を出し続けるので脳天から腰までガチガチに
固くなります。

このような感じで一日を終えるのです。

私自身、重量挙げ選手ほどのウェイトをつけたことは
もちろんありません。それでもスポーツクラブの筋トレレッスンで
それなりの重さをつけると、レッスン終了時にヘロヘロに
なってしまいます。

となると、ますます「メンテナンスも仕事のうち」なのですよね。
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ギアチェンジ [仕事]

通訳の仕事というのは、極度の緊張を強いられます。
長年続けていればだいぶ「場慣れ」はしてくるものの、
やはりいつになっても私の場合、マイクのスイッチを入れる瞬間は
とても緊張します。もちろん、当日までも予習三昧となりますので、
常にテンションが高い状態となってしまいます。
行きつけの鍼灸院へ行くたびに「背中が鉄板のようです」と
言われるほどです。

業務を終えて一息つきながら自宅へ帰宅しても、
なぜか緊張感が抜けきらないこともあります。
息が浅かったり、頭から腰にかけて、とりわけ
首や肩甲骨付近が極端に堅くなっているのですね。
自宅の扉を開ける前までに首をほぐしたり、
呼吸を整えたりしなければ、緊張感をそのまま自宅へ
「お土産」として持ち帰ることになります。

それはわかっているのですが、やはりなかなか抜け切れるものでも
ありません(もっとも、私の修行が足りないということなのですが)。
そしてテンションがそのままの状態で夜に玄関のカギを開けた際、
目に入ってくるのはカーテンが開いたままであったり、
洗濯物がベランダに干した状態であったり、ということもあるわけです。

しかもこちらは重い荷物を抱えて買い物袋と共に
マンションの階段をひーこら言いながら上がってきたばかり。
夏場であれば汗が帰宅と当時にドッと噴き出します。
そのようなときに、自宅が整っていないと・・・
はい、その後の展開はおそらくどのご家庭も経験
なさっていることでしょう。

ということで、これまでの10年以上、とにかく
助け合って家事を分担することを家族に繰り返しお願いし続けてきました。

また、それより何より大事なのが、「自分のココロを
限りな~く穏やかにしてから玄関を開けること」と痛感しています。
とにもかくにも「ギアチェンジ」です。
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事務作業の工夫あれこれ [仕事]

デジタルの時代とは言え、まだまだ紙媒体はたくさんありますよね。
仕事用の資料をプリントアウトして読んだり、
クラスでの配布物を印刷したりという具合です。
完了したもの、未着手のものなど、複数の仕事をしていると
それだけで混乱しそうです。

そこで私は以下のような工夫をしています。

1.未配布のプリント:
たとえばクラス内で配布するプリントがあったとします。
私はもっぱらA4用紙を使います。通常、プリントをクリップ止めするときは
A4用紙(縦向き)の場合、左上にクリップを止めますよね。
上辺から下にクリップを差し込むという具合です。
ただ、私の場合、未配布のものであれば
A4の左辺から内側方向にクリップを止めるのです。
こうすることで、「まだ配布していない」という合図にしています。

2.未読の資料:
まだ読んでいない資料の場合、自分のもので書き込みができるもので
あれば、右上に「□R」と書いています。Rとはreadのこと。
読了したらを枠内に入れます。
一方、書き込みができない場合は、クリップを
やはり上記同様、左辺から内側に向けて差し込みます。
読み終えたら上辺から下へ向けて差し込むことで、
未読・既読の区別をしています。

3.あえてフォルダにさかさまに入れる:
複数のプリントをクラス内で配布する場合、
クリップ止めをしていても、どれが配布済みか
だんだんわからなくなってきます(一日に複数のクラスを
教えているとそうなってしまうのです・・・)。
そこで、配布済みのものはクリアフォルダ内にあえて
さかさまにして入れています。これで「配布済み」の合図です。

他にもいろいろと自分なりにトライしていることが
あります。また後日ご紹介いたします。
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プレッシャー [仕事]

フリーランスで仕事をしている身にとって、
「約束を守ること」はとても大きいと感じます。
決められた時間に現地集合すること、
与えられた資料を読み込んでから臨むことなどは
その一部です。なぜなら通訳の仕事というのは、相手が期待していることを
パフォーマンスとして発揮して初めて評価されるからです。
つまり、ベストを尽くすことイコール約束を守ることと私は
解釈しています。

通訳者というのは、他の仕事と比べると時間給自体は高いかもしれません。
けれども業務当日までの準備すべてがこの中に含まれます。
勉強不足で力を発揮できなければ、実力不足とみなされ、次からは声がかかりません。
約束の時間に遅れたり、守秘義務を守れなかったりすれば、
評価は落ちます。業界の中で生き延びることはできないのです。
そのような厳しい世界だと自覚しています。

また、体調管理も仕事の一部と私は思っています。
「風邪を引いたから休みます」は言い訳にならないのです。
「電車が遅れているので集合時間に間に合いません」も通じません。
遅れないよう、相当余裕を持って自宅を出発する必要があります。

CNNの放送通訳では月曜日と土曜日の早朝シフトに私は
よく入っています。局入りは午前6時半です。
万が一、当日の体調不良や事故などの場合、
エージェントにとって代わりの通訳者を探すのは困難を極めます。

よって、とにかく遅刻しないこと。病気にならないこと。
ケガや事故に気をつけること。
こうしたことを意識しながら日々を送っています。

これらはプレッシャーでもあります。
けれども良き仕事をするためには、毎日を丁寧に生きることが
大事になるのでしょうね。

そのように思いながら、次のシフトに備える日々です。
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ヘンリー王子ご成婚 [仕事]

本日日本時間の夜にイギリス王室のヘンリー王子が
女優メーガン・マークルさんと結婚されます。
日本でもBS日テレで生中継予定です。

http://www.bs4.jp/shinsou/oa180519.html

中継は他にもNHK-BSやBBCワールドでも行われます。
また、CNNjでは朝から特番が放送予定です。私も一部の
番組でシフトに入っております。

ご関心のある方はぜひ!
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とにかく「締め切り順」! [仕事]

フリーランスで仕事をしていると、様々な業務を手掛けることに
なります。私の場合、通訳の予習だけでなく授業準備、原稿執筆、
講演に向けての計画などが挙げられます。授業や原稿のように
定期的に日時が決まっているものもあれば、そうでないものも
あります。

こういった状況になると、仕事に取り掛かる際、ついつい
「容易なものから」となりかねません。
難解な仕事が控えていても、何となく腰が重くなってしまい、
なかなか着手できないのですね。そして結局
最後まで持ち越してしまい、慌てて取り組んだ結果、
自分の思ったような準備ができなかった、となりかねないのです。

本格的なフリーになったころは、まさにこうした状況ばかりでした。
「本当は〇〇の仕事をやらないといけないのは
わかっている。でも大変そうだし・・・」と何かと
理由・言い訳をして、避けてしまっていたのです。

けれども仕事というのは、お給料と引き換えに社会に対して
約束を果たすことでもあります。先方はそれを見越して私に
依頼してくださっているのです。ならば社会的責任を
果たすのは私の義務でもあるのですよね。

ではどうすれば良いか?

さんざん逃げたり苦しんだりという若かりし頃の苦い経験の結果、
最近はこのような方針で落ち着いています:

「とにかく締め切りの早い順のものから取り組むこと」

これだけです。

たとえ1週間先の締め切りあるいは実施日のものが
簡単にこなせそうであっても、まずやるべきは
明日に締め切りとなっているものを片づけるべきです。
なぜなら、たとえ容易な方を仕上げられたとしても、
心の中では「明日の締め切り分」の業務が未完のまま、
引っかかってしまうからです。

まずは早い締切のものから。

極めてシンプルなルールですが、これを守るようになって以来、
ずいぶん楽になりました。
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ノートの底力、おそるべし [仕事]

このところ私の中では「大学ノート」がブームになっています。
コクヨのキャンパスノートです。中学生のころはよく
使っていましたが、その後ルーズリーフを試してみたり、
少し大きいサイズのものを使うようになったりと
ノート遍歴も紆余曲折を経ながら現在に至っています。
ただ、日記だけはキャンパスノートを使い続けてきました。

ちなみに放送通訳現場で私は裏紙をメモ用にあてていました。
再放送のドキュメンタリー番組などの場合、
一度視聴して本番に備えるという、いわゆる「半生同通」で対応できます。
その際、裏紙にどんどんメモをしていったのです。
本番中に数字などのメモを取る際にも、やはり裏紙です。

一日の業務が終わると、そのメモ用紙は私にとって「復習用メモ」と
なります。自宅に持ち帰り、殴り書きしたメモを判読しながら
その日のニュースをおさらいしたり、不明単語を改めて調べたり
していたのです。

不明単語に関しては、自宅にある「ジーニアス英和辞典」(紙版)を
引いています。調べた単語に下線を引く、新語であれば辞書の余白に
書き込むという具合です。そうすることで忘れないように心がけて
きました。

ただ、先日ふと思い立ったのです。

「もっと記録を残そう」と。

仕事で使ったメモは紙辞書にマーキングをした時点で
今まではすべて捨てていました。モノが増えるのを厭うという
自分の性格からです。けれども、せっかくニュースの通訳を
しているのです。これらをきちんと残しておけば、それだけで
自分だけの世界史ノート(というと非常に大げさですが)が
できるのではないかと思い立ちました。

そこで出番となったのがキャンパスノートです。

使い方はいたってシンプル。放送通訳現場にこのノート1冊を持参し、
半生同通用のメモも事前準備のリサーチ項目も本番中のメモもすべて
ここに書き込むことにしたのです。要は「情報は一冊のノートにすべてまとめる」
という考え方です。そういえば、このようなタイトルの書籍が
ありましたよね。

実際始めてみてまだ二日目なのですが、すでに大量の単語や
メモでノートは埋まりつつあります。しかもノートの良いところは
「これだけ書いた=勉強した」という達成感をいだけることです。
ノートのページが埋まっていくことが、実はモチベーションに
なるのですね。ページをめくり返すたびに、「そうそう、あのタイミングで
この単語が出てきたっけ」と記憶をたどることもできます。

紙ノートは、こうしてペラペラとめくり直すことができます。
自分の筆跡が自分を応援してくれる。そんな感じを私は抱きます。

それだけにノートの底力、おそるべしです。
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マインドマップ試行錯誤中 [仕事]

数か月前にマインドマップの本を読んで以来、日常的にも
取り入れています。特に重宝するのは読書記録です。また、
授業で板書する際にも使っていますね。もっとも私の場合、
マインドマップ本で紹介されているようなカラフルなものではありません。
単色でシンプルに描いています。自分バージョンが確立できたらと思います。

さて、そのマインドマップ。先日の放送通訳現場でふと思い立ち、
書いてみました。通訳メモとしてです。

その日のシフトで私が担当したのはスポーツニュース。
単体の番組で15分ものです。幸い本番の数時間前にスポーツニュースが
放送されていましたので、そちらをコンピュータの録画済み動画から
引っ張り出し、事前予習することにしました。

準備時間が限られている放送通訳現場。どのように備えるかで
いつも自分なりに悩みます。と言いますのも、スポーツの場合、
メモ取りよりも画面に集中して内容を頭に叩き込むべきか、
それともメモを取ることに励むべきか迷ってしまうのです。

とりわけスポーツの場合、選手名やチーム名、監督の名前や
スコアなど、様々なことが飛び出します。そう考えると、
「画面集中型」よりも「とにかく聞こえたことをメモする」方が
理にかなっているようにも思えます。ただ、メモに気を取られてしまうと
今度は画面を見ることがおろそかになり、試合の流れがわからなくなります。
うーん・・・

そこで件のマインドマップ。その日私が試したのは
画面を見つつメモを取り、キーワードからどんどん線を引っ張って
マインドマップ風に仕上げるという方法でした。
ちょうどサッカーの試合についてでしたので、
「チャンピオンズリーグ」と紙の中央に書き出し、チーム名や監督名など
どんどん派生させて書いてみました。

ところが、いざ本番で同じニュースが出てきたときのこと。
そのメモを見つつ訳し始めたのですが、自分のメモが紙の中央から
あちらこちらへ派生して書かれており、通訳に集中できませんでした。
残念!

この日の教訓。それは「通訳メモの場合、紙の左上から右下に向かって
時系列順に書き連ねることが大原則である」ということです。
そのことを改めて認識できただけでも、「マインドマップで通訳メモ大不調事件」は
私にとって有意義だったと思っています。
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ユニ・チャーム高原豪久社長のことば [仕事]

日経新聞の夕刊に「私のリーダー論」というコラムがあります。
4月26日木曜日はユニ・チャームの高原豪久社長のことばでした。
印象的だった文章を抜粋します。

「私は、人を育てるなんてできないというのが持論です。
育つのは本人なんですから。」

「『普通の教師は教える。良い教師は諭す。最高の教師は心に灯をつける』
と言いますが、リーダーとして大事なのは、2番目と3番目。
つまり『気づかせる』ことじゃないでしょうか」

「重要なのは、社員自身が学びたい、成長したいという意志を持つこと。」

人の上に立つという観点から上記のことばを見ると、
これはリーダーや社長などに限らず、教師にも当てはまるのですよね。
学習者にいかにして「勉強したい」「伸びたい」と思ってもらうか。
それが指導の現場で試されているのだと思います。

(2018年4月26日木曜日夕刊)
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