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作業と錯覚 [仕事]

通訳セミナーをすると、単語の覚え方についての
質問を受けます。どのようにすれば記憶できるのか、
また、単語帳はどう作成すれば良いのかといった問いです。

会議通訳では事前に短期間で膨大な量の単語を覚える必要が
あります。その記憶法についてはまさに通訳者個々人によるところが
多く、エクセルに入力してデータベース化する方もいれば、
紙に書き連ねるという先輩もいらっしゃいます。
ちなみに私は超アナログ派で「手で書く作業」そのものが
好きなため、今なお紙で作成しています。

ただ、準備段階で気を付けねばならないのは、
「作成作業=勉強した」という錯覚に陥ってしまうことなのですね。
一生懸命入力あるいは手で書き続けて膨大な単語リストが
出来上がると、それだけで大きな達成感を抱けます。
けれどもスタートはここから。単語帳作成はいわば
出発点ですので、どれだけ記憶するかが問われるのです。

これは単語帳作成だけではありません。私は後進の
指導にも携わっているのですが、授業用教材の訳文を
作成していると、ついつい仕事をした気分になってしまいます。
けれども大切なのは、訳文を練る上でどのような工夫をすべきか、
他の類似表現は何かなど、その訳文を土台としてプラスアルファの
内容を盛り込むことなのです。

単語帳や訳文作成という「作業」そのものだけで
達成感を錯覚しないようにと言い聞かせています。
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まずは作業時間の把握から [仕事]

先日とあるメディアの方からインタビューを受けました。
仕事術などに関する話題です。その時の質問で、
「仕事で失敗してしまった際、どのようにして気持ちを
切り替えるか?」というものがありました。

日々の仕事をしていて「今日は完璧だった!」と思える日は
私の場合、まずありません。仕事を終え、帰りの電車の中では
いつも「1人反省会」。「あの単語も落としてしまった」
「そもそもの知識不足」「集中力が欠けてしまった」など
改善点はいくらでも出てきます。ただ、ネガティブなこと「だけ」を
考えすぎてしまうと落ち込むばかりですので、
最寄り駅までが反省会と決めています。引きずったままでは
次の仕事準備ができないからです。

いざ最寄り駅で下車したら、自宅まで歩きながら
次の仕事のことを考えます。早朝シフトの日であれば、
家族が帰ってくるまで数時間は自宅に私一人の状態です。
その日に仕事に使える合計時間を頭の中に描き、
やるべきことを考え、どの作業に何分かかるかを
シミュレーションします。つまり作業時間の把握です。

そのようにして気持ちを整えたら、帰宅後は
計画に沿って淡々と取り組むのみです。
「夕方まで5時間もある」などと思えても、いざ
仕事を始めてみるとあっという間に時間は過ぎてしまいます。
先日は「30分一コマ」で作業に取り組んだのですが、
気が付いたら日が暮れていたのでした!

要は集中力なのでしょうね。まだまだ改善の余地アリです。
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お気に入り時短グッズ [仕事]

ストレスを抱えないため、グッズにはこだわっています。
と言っても、別に高額商品を入手しているわけでは
ありません。あくまでも自分なりのお気に入りアイテムと共に
日々を過ごしたいと思っているのですね。
使い勝手が良いこと、使っていても飽きないことなどが
商品選びのポイントとなっています。

中でも最近気に入っているのがスチール製の30センチ定規です。
これまでは20センチのプラスチック製を使っており、
30センチの方は机の引き出しに入れたままになっていました。
けれども最近また改めて使い出したところ、その
便利さに嬉しくなったのです。

スチール製ですので、ある程度の重さがあります。
そのおかげで新聞やコピー用紙などをまっすぐに切ることが
できるのですね。プラスチック版でも定規をあてて
切ることはできますが、重さがない分、ずれてしまう
こともありました。けれどもスチール製はそれが防げるのです。

ちなみに私は手帳の中に同じくスチール製の10センチ定規も
入れています。こちらはなかなかのスグレモノで、
定規の端が少し持ち上がっています。ですので
その部分を机に押し付けると反対側が持ち上がり、
取り上げるのが楽なのですね。「ピックアップスケール」と
言うのだそうです。

ささやかなことですが、こうした時短グッズのお陰で
作業も進めやすいと感じています。
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とにかく苦手なことから [仕事]

ここ1週間ほど所用で不在にしていました。
戻ってみると、やるべきことが山積み!
荷ほどきもままならず、仕事に家事にと戻っています。
本来であれば、早く片付けてすっきりさせたいのですが、
それが追い付かず、通常業務が始まったのですね。
よって、優先順位を付けて、プライオリティの
高いものから取り組んでいます。

このような時というのは、ついつい「取り組みやすいこと」から
手がけたいという衝動にかられます。さっさと
片づけてしまえばスッキリするからです。けれども
それではいつまでたっても「優先順位が高いもの」に
近づけません。

ですので、このような場合は心を鬼にして(?)
「易しいもの」はあえて後回しにし、
「難しいこと、苦手なこと」を一番に手がけるように
しています。

なかなかハードルが高いなあと思えてしまうのですが、
やりやすいことはこの際、目をつぶってガマンガマン。
「今私にとって苦手なことは何?」とあえて
自問自答し、それから始めています。
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どうしても集中できないとき [仕事]

一日の中でいつ自分が集中でき、どのような時間帯になると
ボーっとしてしまうかを把握するようにしています。
私の場合、早朝シフトのある日はやはり午前中が
もっとも覚醒状態にあります。午前3時半過ぎに起きますので、
シフトに慣れるまでは眠気との闘いでした。けれども
今や空いた始発の電車に乗って混雑を避けることが
いかに恵まれているかをありがたく感じています。

ただ、早起きした分、午後になるとあっという間に
集中力は落ちます。放送通訳を終えて帰宅しても
授業準備や原稿執筆などの仕事がありますので、
なるべくテンションを下げないようにせねばなりません。
それでも午後3時過ぎなど、非常に効率が悪くなって
しまうのですね。

ではそのようなとき、どうするか?私の場合、
いくつかの対策で乗り切るようにしています。
具体的には:

(1)机に突っ伏して5分間だけ寝る
→数分眠るだけでスッキリします

(2)体を動かす
→家事をする、首や肩を回すなど、とにかく
物理的に体を動かすだけで目覚めます

(3)立ってデスクワークをする
→眠ることも体を動かすこともできないほど時間的に
ひっ迫している場合、最後の手段として「立つ」ように
しています。本来座って行うデスクワークをあえて
立って取り組むというのは、不自然な体勢に
なることを意味します。PC画面や机の作業面などは
着席用の位置になっているからです。「腰をかがめる→
体が痛くなる→早く座りたいので、集中して
区切りの良い所まで作業する」という流れになり、
否が応でもピッチが速まります。

あ、もう一つありました。限りなく苦手な作業に取り組む場合、
私はタイマーを5分間だけセットします。
「とりあえず5分だけがんばろう」と割り切るようにしているのです。
キッチンタイマーもモチベーショングッズです。
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作業と学習の境目 [仕事]

通訳者にとって、仕事が依頼されてから通訳業務の当日までは
ひたすら「予習の日々」です。事前に渡された資料に
目を通すことはもちろん、自分で文献を探して読みこんだり、
動画サイトで話者の以前の講演を視聴したりと
あらゆることをして準備に勤しみます。

私の場合、予習をすればするほど、自分の知識不足を
痛感してしまいます。それこそ、どこまで予習をすべきか
見えなくなってしまうのです。そしていつもの
パターンとしては、結局のところ時間不足に陥り、
当日ドキドキしながら通訳ブースへ。
冷や汗をかきながら通訳をする、という状況です。

要は、事前学習に正解も終わりない、ということなのですね。
だからこそ緊張してしまうのです。これは放送通訳の
現場でも同様です。

ただ、これまでの仕事から得た私自身の教訓として、
予習における「作業」と「学習」を混同してはいけない
と感じています。具体的に見てみましょう。

たとえば、予習の段階でおこなうべきことの一例としては
文献をそろえる、動画でスピーチを探す、
単語リストを作る、予習ノートを作るなどなどがあります。
こうしたことを同時進行で当日までに
準備せねばなりません。まずは「やるべきこと」を書き出し、
ひとつひとつ取り組むことが求められます。

ここで注意せねばならないのが、このような「やるべき課題」を
「書き出していること」そのものや、文献を「そろえている」という
行為、あるいは動画でスピーチを一通り「探し出している」状態
などを「学習時間」と混同してはいけないということなのです。

こうした「事前セッティング」には案外たくさんの時間を
要します。しかもそろえたり探し出したりというのは、
自分にとって成果が見える作業でもありますので、
それだけで充実感を抱いてしまいがちになるのですね。
「わあ、ここにも動画があった!」「あ、この文献も使えそう」
という具合に、次々と宝探しのごとく出てくると、
安堵感と共に達成感で心が満たされるのです。

けれども、そうした「作業」自体は、自分の知識への充填に
結びつくとは限りません。大切なのは、そのようにして
集めた事々をしっかりと吸収して自分のものにしなければ
いけないことなのです。

単語リスト作成も同様です。私など、新しい分野の通訳業務の際、
膨大な数の単語を毎回書き出します。けれども大事なのは、
書き出して暗記することであり、通訳内容そのものと
しっかり結びつけて活用できることなのですよね。
書き出す行為そのもの「だけ」で安心してはいけないと
自戒の念をこめて、今この文章を書いています。

作業と学習の境目というのは、意外と見誤りやすいものです。
だからこそ、冷静に意識しながら学び続けねばと
感じます。
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「そこで腐ったらそれまでだ。」 [仕事]

「紙新聞の良さをは何といっても思いがけない記事との
出会いです」と唱え始めて、もはや何年経ったでしょうか。
時代がデジタル化すればするほど、紙媒体への
想いは募るばかりです。こうなるととてつもない「片思い」
なのかもしれませんね。

先日も、心に響く名言に出会いました。
日経新聞夕刊「こころの玉手箱」というコラムです。
このコラムには著名な方々が1週間連続で寄稿なさっており、
8月最終週は日本証券業協会の鈴木茂晴会長が担当されていました。

鈴木会長は大和証券時代、様々な部署で業務にあたって
こられたことを述べていらっしゃいます。
時には理不尽な仕打ちを受けて辛い思いもなさったそうです。

「それでも、そこで腐ったらそれまでだ。
会社は社員のことをよく見ている。
厳しい状況でも、自分のいる場所を見つけて、
そこで楽しくやる。」

このように述べておられました。

私も社会人になってからずいぶん年月が経ちましたが、
結局のところ、自分を幸せにできるのは自分の心次第
なのだなあと最近とみに思います。
辛いことや嫌なことをいつまでも反芻したところで
自分が気持ちよく前へ進めるとも思えないのですね。

自分の身に降りかかることは、色々な細かい自分自身の
選択ゆえでもあります。苦い経験をどうすれば
自分の糧にできるか、考え続けたいと思います。

・・・ちなみに卑近な例を言いますと、放送通訳現場での
苦し紛れの訳!その訳語を選んで泥沼化してしまったのも
すべて「自分の選択」が原因です(sigh)・・・!

(「こころの玉手箱」日本経済新聞夕刊
2017年8月28日月曜日)
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自己暗示 [仕事]

これまでの仕事人生において、たくさんの素晴らしい方との
出会いが私にはありました。上司や先輩、そして年下の方々からも
多くの刺激を受けることができ、本当にありがたかったと
思います。そのような方達のことは今でも時折
懐かしく思い出しては感謝の気持ちを抱いています。

実に多くの方々に刺激を受けてきたのですが、
いずれもそうした方々には共通点があります。
それは自らが携わる仕事を心から愛している様子が
伺えたことでした。

どのような仕事であれ、いつも順調というわけには
いきません。思いがけず大変なことに直面したり、
マンネリ状態になってしまったり、もうやめようかと
思い悩んだりすることは誰にでもあるはずです。
それでもなお、生き生きとその仕事に向き合っている様子を
見ると、私もそうありたいと思わされるのです。

ことばには自己暗示のちからがあると私は考えます。
朝起きて職場に向かうまでの間、
少しでも今日の仕事についてプラスのイメージを
抱きたいと私は思います。たとえ外は大雨で自宅を出るのが億劫に
思えても、あるいは睡眠不足で今日はくたびれているな
と体が訴えていても、それでもなお、今日も頑張ろうと
思いながら自宅を後にしたいと思うのです。

ボヤキというのは、ついつい言葉になって表れてしまいます。
ぼやくこと自体、悪いことではありません。
けれども一言何かネガティブな言葉を言ってしまうと、
そのままズルズルと気持ちも下がってしまうように私は
感じてしまいます。マイナスの自己暗示に陥ってしまいそう
なのです。

だからこそ、「ボヤキ・マインド」がたとえ浮上しても
あえてそれに捕まらないようにして、なるべく
前へ前へ進みたいと思っています。
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食わず嫌いを反省 [仕事]

放送通訳現場のPCは通訳者が共有で使っています。
通訳自体がシフト制であるため、デスクも固定では
ないのですね。

ごくまれにではあるのですが、前のシフトの方が
再起動やシャットダウンをせずに退社されたからなのか、
PC画面がそのままの時があります。その際、最近頻繁に
見かけるのがインターネットブラウザーのGoogle Chromeです。
周りを見渡してみると、実はChromeを使っている人が
少しずつ増えていることに気づきました。
一方の私はインターネットがお目見えしたころから
ずっとInternet Explorer(IE)を使っています。

「皆が使っているということは、Chromeは何か
メリットがあるのかしら?」と思い、ある日のこと、
ためしにアクセスしてみました。

IEにはスタッフ共有の「お気に入りページ」が
保存されています。Chromeはどうかなと
覗いてみると、そっくりそのまま入っていました。
これはありがたいと思い、早速使い始めたときのこと。
あまりの画面動作の速さに驚きました。

そういえばずいぶん前、IEよりもFirefoxが良いなどの
記述は目にしたことがあったのですが、私はひたすら
IEでしたので、特に何も考えずに今に至っていたのです。
けれども今回Chromeを使って、IE以外にもこれほどの
作業環境が手に入るのかと改めて感心しました。

要は私自身が単に食わず嫌いだったのですよね。
従来のやり方を踏襲するのは安心ですし、新しいことを
覚えずに済むので楽です。けれども少なくともChromeを
使った私にとって、新たなものを導入する大切さも
実感できました。

早速帰宅して自宅PCのブラウザをChromeにしたのは
言うまでもありません。
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仕事に誇りを持つということ [仕事]

放送通訳をしているからでしょうか、「マイクを通して
聞こえる声」にはよく注目しています。
話し方や間の取り方、用いる単語や表現などに
関心があるのですね。電車に乗れば車内アナウンス、
飛行機であれば機長さんやCAさんの挨拶などに
耳を傾けます。

先日のこと。素晴らしいアナウンスに巡り合いました。

その日私は羽田空港までバスで出かけました。そのとき
乗車した空港直通の路線バスの運転手さんのアナウンスが
印象的だったのです。

当日は平日の朝。ラッシュアワーだったこともあり、道路は大渋滞でした。
けれども運転手さんは最速で到着できる迂回ルートを
とりながら、適宜最新情報をアナウンスしてくださったのです。

単に連絡事項を伝えたのではありません。
車内で寝ている人に配慮しながら、控えめな声量で
大事な情報だけはしっかりと伝えていらっしゃいました。

他にもありました。
たとえば空港ターミナル到着時には、
下車後、どこをどのように歩けばカウンターに到達するかなど、
乗客が必要とする情報まで知らせてくださったのですね。

声の出し方、情報の伝え方などから察するに、
このドライバーさんは心の底からご自身の仕事が好きで、
誇りをお持ちなのだと思います。
これぞ真のプロフェッショナルです。

自分の携わる仕事に愛情があれば、それは
声に反映されます。そのことに気づかされた出来事でした。
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