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小泉信三「読書論」より(その2) [英語]

「読書論」には読書についてだけでなく、学びそのものに
関する記述もありました。中でも「語学力について」(第三章)が
興味深かったですね。

「言語の味わいは微妙であるから、或る国語を、
他国人がその本国人通り完全に味解し得ないとしても、
その或る部分はその人の罪ではない。」(p40)

たとえ頑張ったとしても、母語でない以上、
他言語を完璧に理解するには限界があります。
理解できなくても、その人の罪ではないというのが興味深いですね。

「要するに私の結論は、外国語は決して恐れてはならぬ。
しかし侮ってはならぬ。深く入るには余程の勉強を要する
という、平凡なことに外ならぬ。」(p40)

最小限の努力で最大限の効果など期待できませんので、
やはり地道に勉強せよ、ということになります。

小泉氏は語学の習得法の一つとして、筆写を勧めています。
ドイツ語の学習において「自分の好きな文章を、
一節なり一章なり、根気よく何度もくり返し筆写」(p40)
したおかげで効果があったと述べています。
また、音読も推奨しています。

こと語学の勉強に関しては、真新しい方法を探したり、「もっと
良いやり方があるはず」など夢見たりせず、
地道に当たり前のことをコツコツやることが、
結局は最大の時短となり、最大の効果を生み出すのでしょう。
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直角 [英語]

敬愛する指揮者、マリス・ヤンソンスのCDが
大学図書館にあったので借りてきました。
今教えている大学には数年前から出講しているのですが、
CDも館外貸し出しができたのですね。てっきり
DVD同様、館内鑑賞のみと思っていましたので、
私にとっては嬉しい発見でした。

今回借りたのは、ロイヤル・コンセルトヘボウと
ヤンソンスのマーラー「交響曲第1番」です。私は
オスロ・フィルとヤンソンスの同曲CDは持っているのですが、
そちらはずいぶん前の録音。コンセルトヘボウの
演奏も基本は同じ路線ですが、ヤンソンスの円熟味が
表れていると感じました。

ところでもう一つ興味を抱いたのがCDケースです。
普通のケースの四隅は角ばっていますが、
コンセルトヘボウとのシリーズはケースの角が
丸いのですね。直角のケースをわざわざ丸く成型
してありますので、それだけのためにケースを作るのも
手間がかかっているのではと思いました。

この「丸角」を機に、日常生活で意識してみると、
様々な物が実は角を滑らかにしてあることがわかります。
たとえば電子辞書の角も丸いですし、携帯電話も
そうですよね。

そういえば以前、スポーツクラブのスタッフの方と
話していた時、面白いエピソードを聞きました。
館内に貼り出す「お知らせ」についてです。
そのお店ではお知らせをパウチ加工して貼り出すのですが、
必ず四隅の角を切り落としてから貼るのだそうです。
コーナーが直角のままだと手を切ったりしてしまい、
危ないからです。

ところで英語で「恐怖症」はphobiaと言います。
「先端恐怖症」はaichmophobia。語源はギリシャ語の
aichme(先端)だそうです。「直角恐怖症」という単語も
あるのかネットで探したのですが、今一つ見つからず。
直角もある意味では先端のようなものですので、
aichmophobiaが感覚としては近そうです。
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東京の水 [英語]

先日、有楽町の東京国際フォーラムへ出かけたところ、
駅寄りの広場に水飲み場を見つけました。近づいてみると、
「東京の水」と看板があります。日本の水は安全、安心で
おいしいということをPRしていました。

「水」をキーワードに思い出すことはたくさんあります。
たとえばイギリス時代。現地の水は石灰が多く、
やかんにはあっという間に白い石灰がこびりついて
しまいます。イギリスではlimescaleと言っていたのですが、
そうした石灰を取り除くグッズが売られていましたね。
たとえばやかんの中にミニたわしのようなものを
ポンと入れておくというものもありましたし、
専用洗剤も販売されていました。インターネットで検索すると
「手作りエコ石灰除去法」のようなアイデアも
見受けられます。

もう一つ水で思いおこすのは、東南アジア青年の船で
アセアン諸国へ研修に出かけたときのことです。
衛生事情などもあるので、生水は飲まないようにと
言われ、日本人参加者は皆それぞれ慎重にしていました。
それでもどこかから生水が体内に入ってしまったのでしょう。
誰もがお腹の不調に見舞われるという洗礼(?)を
受けました。

ところで電子辞書の「成句検索」でwaterを入力してみると、
色々なフレーズが出てきます。たとえば
cast one's bread upon the waters(報酬を当てにせず
善行をする)、the Father of Waters(ミシシッピ川)、
go through fire and water(あらゆる危険を覚悟する)などは
その一例です。
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イスに注目 [英語]

最近街中で意識して見ているのが「イス」です。
何がきっかけだったのかは覚えていないのですが、
せっかく世の中には多種多様のイスがありますので、
そのデザインを堪能しようと思ったのです。

あえて注目してみると、実に様々なイスがあることに
気付かされます。たとえばカフェの中でも
数種類あり、色や形などまちまちです。
チェーン系のお店でも、こうして何種類かあえて
置いてあったりするのですよね。また、同じ系列店でも
店舗によって異なる事にも気づきました。

先日ランチをとったレストランのイスは肘掛つき。
しかも昔からある建物の中のレストランでしたので、
イスも年季の入った革張りでした。

ところでイスは漢字で書くと「椅子」。
「椅」は「いいぎり」という木の名前で、
桐に似ているのだそうです。漢和辞典には、琵琶などの
楽器や器物を作るのに用いられると出ています。

一方、和英辞典で「イス」を引くと、

chair(一人用で背がある)
stool(一人用で背がない)
bench(二人以上用の長椅子)
seat(座席)

と出ています。また、「いすにかける」は
sit on a chairですが、肘掛け椅子など深く沈み込む椅子の場合は
sit in a chairと解説がありました。

なお、chairの語源はラテン語のcathedra(司教座)から
来ているそうです。
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「発音を変えない」という生き方 [英語]

ふとしたことから指揮者レオポルド・ストコフスキーに
ついて調べ始めたところ、すっかりはまってしまいました。
ストコフスキーは1882年イギリス生まれ。
アメリカに渡った後はフィラデルフィア管弦楽団を
育て上げたほか、青少年の音楽教育にも情熱を傾けるなど、
1977年に亡くなるまで精力的に活動を続けました。

私はラフマニノフの交響曲第2番が好きで最近
よく聞いています。インターネットで探してみると
ストコフスキー版もあり、視聴したのですが、今まで
私が信じ込んでいた解釈とは全く異なり、非常に衝撃を
受けました。同じ作曲家の作品でも、指揮者によって
大きく異なるのです。今まで耳にしていたCD「だけ」が
すべてと思い込んではいけないと感じましたね。

ストコフスキー(Stokowski)の父親はポーランドから、
母親はアイルランドからイギリスに渡った移民でした。
ストコフスキー本人はロンドンで生まれ、中心部の
マリルボーンにある小学校に通っています。ロンドンには
Blue Plaqueという著名人の功績をたたえるプレートが
建物に貼られているのですが、その小学校の壁にも
ストコフスキーの紹介が出ています。

指揮棒を持たず、手だけで指揮をすることを初めて
したのもストコフスキーだそうです。一方、結婚は
3回したそうで、最初の妻に「アメリカで成功するならば、
あえてエキゾチックな雰囲気を出しておいた方が良い」と
助言されています。そのため、ロンドン生まれの
ロンドン育ちであったにも関わらず、あえて生涯
クセのある英語で通しました。

このエピソードは新鮮でしたね。英語を学習していると、
いかにネイティブ風に話すか、どうすれば発音が良くなるか
ということが、こと今の日本にいると重視されます。
けれども、意図的に発音をクセのあるものとして維持し、
それを武器にしていくという考えに私は興味を
抱きました。

ちなみにストコフスキーの3番目の妻はGloria Vanderbilt。
あの大富豪ヴァンダービルトの一族です。グロリアも
複数回結婚しており、ストコフスキーは2番目の夫です。
そして4番目の夫ワイアット・エモリー・クーパーとの間に
生まれた子がAnderson Cooper。そう、CNNのアンダーソン・クーパー
です。

ストコフスキーについて調べているうちに、物事が
あれこれとつながっていったのでした!
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解釈の違い [英語]

ここ数週間、ラフマニノフの交響曲第2番をよく聞いています。
この曲に初めて触れたのはロンドンで留学していたころ。
修士試験も終わり、論文も提出し終えて一息ついていた時でした。
「これで大手を振って休みを満喫できる!」と思い、
ロンドンのオックスフォード・ストリートから少し北にそれたところにある
CDショップへ出かけたのでした。

店内で流れていた美しいメロディに聞き惚れていると、
視界の片隅にNOW PLAYINGのプレートが見えました。
カウンターの上にそのCDが置いてあったのです。
近づいて見たところ、曲名はラフマニノフの交響曲第2番。
演奏はBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団、
指揮は尾高忠明さんでした。

私は指揮者のマリス・ヤンソンスさんが大好きで、
ラフマニノフの2番も持っています。最近はこのCDを
メインに聞いているのですが、ふと、他の指揮者の解釈も
気になり、早速You Tubeで探してみました。

検索すると、実にたくさんアップされていましたね。
オーケストラも様々、指揮者名も色々と出てきます。
聞いてみると、同じ曲なのにまったく異なる印象を
受けることもわかりました。私はヤンソンスの速度に
慣れていた分、他の指揮者ではのんびり過ぎるという
印象を抱いたものもありましたし、楽器の強弱も
異なります。「わ~、ここでティンパニの音がこれほど
鳴るとは!」という発見もあったのです。

曲の解釈というのは、もちろんスコア通りの
演奏こそするものの、指揮者によって誤差は
出てくるのですよね。これは通訳や翻訳も同様です。
音楽であれば、作曲家が伝えたいことを最大限くみ取るのが
指揮者であり、オーケストラでしょう。
通訳者も、話者のメッセージを把握して、最大限、
目的言語に置き換えるのがその使命ということになります。

通訳者によって訳語に微妙な差が現れるのと同様、
音楽の解釈もしかりなのだと改めて感じたのでした。
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Hector? hector? [英語]

先日、とある英文を読んでいたところ、hectorという単語が
出てきました。私にとっては「hector=Hector Berlioz」。
そう、フランスのロマン派作曲家ベルリオーズのフルネームです。

英文に出てきたhectorは「いばりちらす」という意味で
使われていました。辞書でhectorを調べると、語源は
ギリシャ語で、holding fastあるいはdefenderという
意味を持つそうです。何とも勇ましい単語です。

一方、大文字のHectorはギリシャ神話に出てくるヘクトールのこと。
「アキレスに殺されたトロイアの王子」とジーニアス英和辞典には
出ています。オーレックス英和辞典には「トロイ戦争における
英雄」との記述もありました。なるほど、ベルリオーズの方は
そうした英雄的なニュアンスで名付けられたのでしょう。

それにしても「英雄」と「いばりじらす、いじめる」が
同じ単語というのも不思議な気がします。hectorは
名詞として「からいばり屋、どなる人」という意味も有します。
その人の名前を呼ぶたびに、こうした意味が頭をよぎったり
しないのかな~、などとつい考えてしまいます。

そう考えるとRob(ロバートのニックネーム)も小文字で書けば
rob(強奪する)という意味がありますし、Jackも俗語で
「無礼な奴」という語義が辞書には書かれています。
Peterは小文字・動詞のpeterの場合「次第に消え失せる」
という意味があります。

名前の世界も奥が深いのですね。
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Thank you for ... [英語]

公共の場には様々な文章が掲示されています。
「立入禁止」「禁煙」「走らないでください」
「割り込まない」などがその一例です。私は
こうした文章を読むたびに、英語ならどう訳すかを
考えます。パッと出てくれば良いのですが、
たまに「うーん」と考え込んでしまうことがあります。
日本に暮らしていると、よほど意識しない限り、
英語を全く使わずに済んでしまうのですね。
話す機会や書く機会など、自発的にできる作業を
増やしていきたいと思います。

先日のこと。牛乳を飲み終えた後、いつものように
紙パックを開いて洗いました。その際に気づいたのが
注ぎ口のところに隠れていた文章です。
牛乳パックの場合、片側だけ開けて注ぐのですが、
洗って処分する上では反対側の口も開けています。
そこに次のような文言があったのです:

「リサイクルの協力に感謝します」

この文章は英語に直すと、「~に感謝します」の
部分がThank you for ... になります。

私が子どもの頃に見たイギリス時代の記憶では、
NO SMOKINGだけ、あるいはNO SMOKING THANK YOUの4単語でした。
よって、最近のように冒頭でThank you for ...と入れると
柔らかい印象を抱きます。

けれども本当に穏やかな印象「だけ」なのでしょうか?

日本語でも事前に「~に感謝します」「~して下さり
ありがとうございます」と謝意を述べることは、
確かに丁寧に聞こえます。けれども、事前にお礼を
言ってしまうというのは、やや穿った見方をすれば
相手に対して「こちらはお礼を述べているので、
もちろん、その通りに行動していただけますよね?」
という大前提条件が潜んでいるようにも思えるのです。

そう考えると、言葉というのは面白いもので、
「感謝表現」も、とらえ方によっては「婉曲的命令表現」と
言えなくもありません。

もちろん、このような解釈は極端な例でしょう。
けれども、昔から「慇懃無礼」ということばが
存在することを考えると、身の回りのこうした表現も
一歩離れて冷静に分析することで、色々なことが
見えてくるように私は思います。
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角度を考える [英語]

最近は「インスタ映え」ということばをよく耳にします。
私はSNSをしておらず、スマートフォンすら持っていませんので、
もっぱら鑑賞オンリーです。歴史を振り返ってみれば
かつてはぜいたく品だったカメラもあっという間に
人びとの間に広まり、今や写真や動画を撮ることが
生活の一部となっています。

フリーペーパーや雑誌などを見ていて思うのは、
今の時代、「真上から撮影したもの」が圧倒的に
増えつつあるということです。かつては
水平的な視点からとらえていたのが、今は
頭上から美しく撮影するのが流行しているのですね。
彩りや断面図など、視覚的に見て元気になるような
色彩が好まれているように感じます。

撮影角度と言えばもう一つ。
プロフィールに使う上半身の写真も、昔とは異なってきました。
かつては真正面から写したものが使われていましたが、
最近は、たとえばセミナーの講師紹介写真など
少し斜めのアングルが多いと思います。
具体的には左斜め45度をよく見かけますね。

色々と検索したところ、肖像画法という方法があるそうで、
これは英語でportraitureと言います。

角度の世界も色々と奥が深いなあと改めて感じたのでした。
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コラム更新および通訳学校・新学期のお知らせ [英語]

「柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現」
第99回がアップされました。今回は「石」に関連した
フレーズをご紹介しています。

http://blog.issnet.co.jp/?eid=1697

さて、10月からも通訳学校ISSで講座を担当することと
なりました。私の受け持ちは日曜入門科(午前・午後)です。

https://www.issnet.co.jp/courses/e_i_index.html#event_info6

学校では体験レッスンや無料セミナーなども実施中です。
ご関心がありましたら、お越しくださいませ。
お待ちしております。
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